店名を冠したラーメンというものには、店にとってそれなりの拘りがあるものだろうと思う。その店の基本メニューに店の名を奢ることもあれば、いわゆる全部乗せメニューを店名メニューとする場合も少なくない。いずれにしても、店名を冠したメニューは、その店のおすすめメニューと同義であると思って間違いないだろう。
東武東上線ときわ台駅北口のこのお店は、店名で明快に手羽先ラーメンを謳っている。
手羽先ラーメンとは、手羽先でダシを取ったラーメンのことなのだろうか? でも宣伝文句としてなら、比内鶏とか名古屋コーチンなどと産地や品名で呼んだ方が効果的ではないのか? また、モミジでダシを取るなんてのはよく聞く話だが、手羽先でというのは聞いたことがない。そもそも、手羽先は身や骨より皮の脂身がおいしいのであって、そこから大したダシが取れるとも思えない。ならばなぜこの店は、殊更に手羽先ラーメンを標榜してみせるのであろうか? その疑問は、オーダーしてみればすぐに氷解する。
おわかりだろうか、丼左上に鎮座しているのは串に刺さった茹でた手羽先である。なんのことはない、単に焼き鳥用の手羽先をチャーシューの代わりにトッピングしただけの代物なのだ(^_^;)。
スープは業務用っぽい味で、鶏がら使ってスープ取ってるようには思えない(笑)。麺は異様に太くてゴツい。まるで札幌ラーメンのチェーン店のようである。
特徴といえば、とにかく手羽先が乗っているだけの一点張りである。ならこの手羽先が非常に美味しいのかと言えば、香ばしく焼いたわけでもなく茹でて火を通しただけだから肉も皮も硬くなっていてちっとも旨くないのである(笑)。
わからないのは、こんな子供の思いつきのようなメニューの名前がどうして店名に謳われているのかである。まさか、手羽先をトッピングしたラーメンを思いついてラーメン店開業を志したわけでもあるまい(笑)。しかも、こんな味で(木亥火暴!!)。いくらなんでも、そりゃないだろう。ない筈だ。ないと言ってくれ、お願いだから。
たぶん、使っている麺から考えて、札幌ラーメンチェーンを脱退したか何かで、新しい店名とメニューを考えた結果がこうなったんじゃなかろうかと推測はできるんですが、話を訊いてもあまり面白くなりそうにないから真実は知らなくてもいいや(木亥火暴!!)。
(2001.07.30)
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