カルトなラーメンたち

その4 猫に小判

鴻園 外観
中華料理 鴻園@蕨市錦町
中仙道から富士見公園通りに入りしばらく進んだ左手

 名古屋市の繁華街に、鳥銀という料理店がある。名古屋コーチンを使用した鶏料理がウリなのだが、なぜかそこではフツーの鶏肉を使った同じメニューが用意してある。つまり、同じ調理法で素材の違いを食べ比べることができるのだ。高級素材の良し悪しというのは、そうして直接比べてみなければ我々凡人にはなかなかわからないものなのである。

 埼玉県蕨市にも、名古屋コーチンを手軽に味わえる中華料理店が存在する。石神秀幸 21世紀ラーメン伝説でも紹介されているのでご存知の方も多いであろう、鴻園である。外見こそ冴えなくて全くそそられないのだが、それでも客足が絶えることがないのは味のよさゆえなのだ。

鴻園 五目そば
五目そば(\750)
名古屋コーチンの弾力ある歯ごたえと豚バラ肉、野菜のハーモニー。
スープのすっきりした後味は厳選素材を使用している証

 石神本には塩味のタンメンが紹介されているのだが、これは本来裏メニューである。正式メニューにあるのは醤油味の五目そば
 名古屋コーチンでダシを取ったというスープはあくまですっきりしていて厭味なく飲める。過多な化学調味料や劣悪な脂などに起因する後味の悪さも皆無である。この手のスープでは醤油の酸味が突出するものも少なくないが、ココでは適切に抑制されている。細麺はかなり柔らかく、麺を食べているという実感は薄いのだが、繊細なスープの味を引き立てるにはこのくらい麺の味を押さえても構わないだろう。具にはあんかけにした鶏肉、豚バラ、白菜・人参・ネギ等の野菜と椎茸。弾力ある歯ごたえの鶏肉は、名古屋コーチンを使用している筈。メニューには鶏の細切りあんかけの乗った麺もあるのだが、一口大に切られた五目そばの方が肉のおいしさがより引き立つように思う

 アタシは決して食通などではない。ならばどうして名古屋コーチンの肉がどうのと薀蓄を語っていられるのかといえば、それはマズい店のタンメンの味を知っているからである。マズい店のネガティブ要因を一つずつ潰していったもの……それがうまい店に他ならないのだ。
 食べ物のうまいマズいなんて所詮は相対評価に過ぎないんだから、マズい店の味を知らずして、うまい店の味を語ることなどできはしないのである。

 鴻園で食べてみたけどおいしさがわからなかったというアナタ、ぜひ近くの中華料理店に行ってタンメンや五目そばを食べてみるといい。実は鴻園の五目そばはうまかったのだと思い知ることになると思う。そんなこともせずにただマズいとしか云えないヒトには、せっかくの名古屋コーチンも猫に小判ドモンの定番でも喰ってればいいのだ(笑)。

 また、鴻園より近くの中華料理店の方がうまかったぞと思ったアナタ、ぜひメールでその店の名前と住所を教えていただけると幸いである。カルトラQへの書き込みでもOKだが、メールアドレス未記載の投稿については信憑性なしとみなすので予めご了承いただきたい。
(2000.11.19)

Text & Photo by ヴァイス

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