近頃のラーメン専門店といえば、女性ウケを狙ってモノトーンやウッド基調のこじゃれた内装にジャジーなBGM、ヘタすりゃビールすら置いてないなんて店も多くなった。しかも、ラーメン1杯\700だの\800だの平気で取りやがる。リストラだ不景気だってこのご時世に、ただでさえ小遣減らされてる上に居心地の悪い思いをしているおやぢ連中は決して少なくはあるまい。
そんな年々肩身の狭くなるおやぢ達にとって、今回紹介するお店はまさにパラダイスと言えるだろう。
赤羽駅前の入り組んだ商店街にひっそり佇むこのお店、赤羽餃子センターなんて仰々しい名前とは裏腹になんともこじんまりした店構えである。というか立て看に注意して歩いてないと絶対見逃してしまう存在感のなさだ(笑)。
店内も昔ながらの中華料理店という趣で、油で煤けきったメニューの張り紙やステンレスのカウンター仕切りやささくれだった木の壁が店の過ごしてきた年月の長さをいやがおうにも主張してくる。TVなんて気の利いたものはなく、オンボロのモノラルラジカセから流れてくるのはAMのNHK第一放送だ(笑)。
厨房奥に腰掛けて休んでいた白髪のおやぢが重い腰を上げた。頼むのはもちろん、これ。「ビールと餃子ね」
キリンラガーの大瓶(\480)をグラスにそそぐ。泡がはじける。NHK第一放送は聴き取りにくい音質で夕方の都心の道路渋滞を伝えるが、ここではそんなことはまるでヒトゴトである。麦芽の香りとホップの苦味が口中を満たしていく。おやぢはしきりに表の人波を気にしながら餃子に油をかける。パチパチと油のはぜる音とたちのぼる香ばしい匂いをつまみに、グラスの残りをぐっとあおる。
「あい、おまちどうさま」の声と共に小皿に自家製ラー油と酢をそそいで湯気を放つ餃子を浸す。かぶりつくと皮の付きが甘いのか肉汁が漏れる(笑)。やや具が旨み過剰か?と思えるが(笑)、酒のつまみにはこれくらいがいい。口に残るベタつく旨みをビールで洗い流す。心地いい酔いが徐々に脳を満たしていく。おそらくα波出まくっていることだろう(笑)。
餃子が残り2つになったところを見計って(笑)、ラーメンを追加。餃子食べ終わってビールも空いた頃にラーメンが完成。つけ麺のタレを入れるにはちょっと大きいかなという位のカワイイ丼である。
スープは鶏がら昆布風味だが、おそらくは業務用スープを使っているだろう(笑)。麺もコシがなくやわい(笑)。はっきり言ってラヲタの評価対象にはなりえない代物だ。それでも、酔った後の〆には十分なものだし、なによりたったの\270なのだ。餃子とビールで一杯やってラーメンで〆て得られる満足感が\1020で手に入る喜びは、不況下に生きるおやぢ達のプチ心の支えなのである。
(2002.03.08)
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